2008年1月22日火曜日

いまさらですが小耳症

ちゃんと書いたことなかったように思うので、一応書いておく。

ボクの右耳は小耳症です。右耳の形が普通の人と違います。内耳までしかないので右耳は聞えません。もともとは右耳の場所には髪の毛が生えていたような気がする。耳たぶだけあったのかな。よく覚えていない。なんで覚えていないかというと、形を普通の耳に近づけるため、小学校の頃、形成手術をしたからです。よって今は、よく見るとわかるんだけど、パッと見は普通の耳に見えると思う。形はね。メガネもかけられるようになったし。

この形成手術っていうのが、結構大変だった気がする。なぜかというと、1回の手術では終わらないから。1回目の手術では、これから形作っていく耳の土台を作る。2回目の手術では、肋骨とお腹の皮膚を移植して、さらに形を耳っぽくする。3回目、4回目も背中、足の付け根から皮膚を移植し、形を整えていく。たぶんこんな感じだったかと。今だったら、克明にブログに書いておくんだろうけど、当時は小4~小5ですから。25年近くも昔なので、結構記憶はあやふや。

大変だったというのは、たぶん親にとって、というほうが当たっているかも。母は毎日、埼玉の奥地から東京まで通ってくれた。ただ、自分は結構楽しんでいたように思う。入院するときは、クラスメイトから手紙をもらったり、見舞いに来てくれたり。食べたいものは与えられ、本もたくさん買ってもらった。看護婦(当時は看護師ではない)はボクのようなかわいかった子供には結構甘いし。

病棟では、知り合いもできた。今でも年賀状をやりとりしている人は何人かいる。あとは、自分と同じ耳をしている人にも会えた。特に感動するわけでもなく、まあ別に、って感じではあるが。当時はインターネットも無い時代。同じ症例の人に会うのはかなり稀だったように思う。

今は、Googleで「小耳症」を検索すると、34,400件ものサイトがヒットします。多くは症状の説明、病院の紹介、そして小耳症の子を持つ親のサイトやコミュニティのようです。いまさら初めて知る事実もあったりする。小耳症にもいろんなケースがあるみたい。例えばこんな感じ。


  • 片耳が小耳症だけど反対の耳は問題無し


  • 片耳が小耳症で反対の耳も難聴


  • 両耳が小耳症


  • 耳たぶしか残っていない


  • 大部分は残っていて少し縮まったようになっている


  • 外耳道が閉鎖している




へぇー、って感じ。自分は左耳は何にも問題なかったので、日常生活を不便に感じたことは無いのだが、両耳の人もいるんだねえ。自分と同じ経験をしてきた人(もしくはこれから経験する人)がいることを知るのは、自分の時には考えられなかった。便利な時代になったものです。手術の技術も格段に進歩しており、今では、本当に精巧な耳が手術で作れるらしい。すごいね。

片耳が聞こえるので、生活を不便に感じることは無くても、両耳がある人にとって当たり前のことが感じ取れなかったりすることはある。まずひとつはステレオ。離れたところで聴けばスピーカーが両方鳴っているのはわかる。でもヘッドホンになってしまうと、片耳が聴こえないので、片方の音が拾えなくなる。

ふたつめはイヤホンが小耳症の耳にはうまく入らないってこと。左しか聴こえないから、ぶっちゃけ右のイヤホンはいらないのだけど、ブラーンっとしてるのも邪魔なので、できれば耳には入れておきたい。でも、普通の耳の形にあわせて作られているイヤホンは、ボクの耳には入らないのだ。だから、頭からかけるタイプを常用していた。耳の後ろにひっかけるタイプもダメ。あれを見たときは、俺にケンカ売ってるのか、とひそかに思った。

みっつめは音の位置がわからないときがある。例えばオフィスでの電話。内線とか、誰の机で鳴っているのかはまったくわからん。あと、家の中で話している声かと思ったら、実は外だったとか。

よっつめは、ポジション取り。例えば会議・打ち合わせ・食事などテーブルに集まるような場合は、必ず右側に座る。そうすると左側だけ気にしていればいいので、すごく楽。逆に右側に人がいると、声が小さかったり、ハッキリしゃべらない人だと、かなりむかつく何を言っているのかわからないため、すごく神経を使う。何度も聞き返してしまう。

ちなみに話を聞きたくないときは左側に座るということは、言うまでもない。

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