2007年5月27日日曜日

Webディレクターの仕事

だから、Webディレクターはやめられない―できるWebディレクターの成功戦略

職業について聞かれた時「Webディレクター」と答えています。これでわかる人はいいんだけど、業界になじみの無い人は大抵「何をする仕事ですか?」と聞いてきます。面倒な時は一言で「ホームページを作る人です」って言ってしまう時があるんですが、これってあまりに漠然としているし誤解を生みそうな答えですね。具体的な仕事が見えてこないよね。ということで、ここで簡単に説明してみたい。

※同業者の方、つっこみ所満載かもしれませんがご容赦を^^;

1. クライアントからのヒアリング/コンセプトとゴールの明確化
クライアント企業は「商品への問い合わせを増やしたい」などといった目的があり、その手段としてWebサイトの構築を求めています。ただしゴールが明確になっていないケースもしばしばあります。潜在的にゴールはあるのだけれど、クライアント自身がそれに気づいていなかったり、具体化できていなかったり。逆にやたらと希望をあげ、この際だから全部実現してしまおうというタイプのクライアントもいます。こういったクライアントの言葉に耳を傾け、プロジェクトのコンセプトとゴールを明確するところから相談にのっていきます。

このあたりは「営業」や「プロデューサー」の仕事とされている場合もありますが「Webディレクター」が兼任していることもしばしば。

2. スケジュールの作成、プロジェクトメンバーのアサイン
納期に間に合わせるためには綿密なスケジュール化が必要です。制作スケジュールに関する全責任は「Webディレクター」にあります。また、プロジェクトを進めていくためには、どういったスキルを持った人が必要なのかを考え、そのメンバーを手配します。社内ですべて進める場合もあれば、外部の制作会社などに一部の工程を発注する場合もあります。外注する場合は予算を把握し、仕入れがどれだけ発生するかも管理が必要です。

ここも「営業」や「プロデューサー」の仕事とされている場合もあります。「Webディレクター」が兼任していることもしばしば。

3. Webサイト設計
プロジェクトのコンセプトとゴールが明確になったら、それを達成するための手段を検討し、Webサイトの設計を行います。具体的には次のようなことを行います。
・ユーザーニーズ分析(競合調査なども)
・シナリオ作成(具体的な導線を設計)
・サイトの構造(サイトマップ作成)
・UI(ユーザーインターフェイス)設計(ページ要素の決定)
・仕様決定

設計は「IA(インフォメーションアーキテクト)」が担当しますが、「Webディレクター」が兼任していることもしばしば。

4. 素材準備
設計と並行して素材を収集します。文章が必要であれば「ライター」に執筆を依頼したり、クライアントに用意してもらったり。自分で文章を書く場合もあり。商品写真が必要なら、クライアントに用意してもらうか、新たに撮影するか、きちんと撮影が終わる迄のアタリ用として自分でデジカメで撮影したり。制作に入るまでに必要なモノを準備するのは「Webディレクター」の役割です。

5. デザイン
サイト設計を受けて、画面のデザインを行います。実際のデザイン制作は「Webデザイナー」が行いますが、設計やクリエイティブコンセプトに基づいた指示は「Webディレクター」から出します。出来上がったデザイン案をクライアントへ提示し、説得を行うのも「Webディレクター」の役割です。デザイン自体を「Webディレクター」が行うことはほとんどありませんが、出来上がったデザインのクオリティなどに関する責任は「Webディレクター」とされることが多いです。

6. コーディング
デザインが完成したら、HTMLコーディングを行います。多くの場合、デザインはJPG画像などで作成されます。それをHTML, JavaScriptを使って、Webページにしていくのがコーディングという工程です。実際にコーディングを行うのは「マークアップエンジニア」が担当しますが、設計に基づいた指示は「Webディレクター」から出します。出来上がったページのチェックも「Webディレクター」が責任を持ちます。
Flashを使ったWebサイトの場合は「Flashデザイナー」がデザインからオーサリングまでを手がけることが多いです。

7. システム開発
システム開発が並行して進んでいる場合は、コーディングしたHTMLを「SE(システムエンジニア)」に納品します。開発に直接携わる事は稀ですが、システムテストには「Webディレクター」も参加します。

8. 納品、公開
Webサイトが完成したら公開します。リニューアルの場合は既存サイトからの切り替えが必要ですし、新サイトであれば、事前にドメインの手配やサーバーの手配などもしておく必要があります。技術的な部分は「SE(システムエンジニア)」や「ネットワークエンジニア」に依頼してしまうこともありますが、全体を押し進めるのは「Webディレクター」だったりします。

以上、思いつくままに書いてみました。(なんかモレとか勘違いがあったらごめんなさい)

その職場によって「Webディレクター」に求められる業務は異なりますので、そのうちのひとつという感じで読んでいただければと思います。Webサイトの制作には様々な人が関わってきます。「Webディレクター」はその人たちの「ハブ」的な役割と言えるのではないでしょうか。いろんな人の意見を交通整理し、プロジェクトが円滑に進むように常に意識していることが重要だと思います。そのため、コミュニケーション能力や推進力が大きく求められる職種です。

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