2011年9月18日日曜日

図書館のレファレンス講座に参加してきました

無料でおもしろそうなので参加してみました。忘れないうちにメモ。

府中市立図書館が開催したレファレンス講座に参加してきました。千葉経済大学短期大学部の齊藤誠一さんが講師。立川市図書館の司書を28年勤め、現在は司書過程を大学で教えていらっしゃる方です。


はじめよう!一人でできる情報探し - 図書館とインターネットを使った情報探索講座 -
インターネット検索が当たり前の世の中だが、図書館にはネットには無い「本」という情報がある。ネットと本をうまく組み合わせて利用することが重要。

例)パソコンの普及率や保有台数を調べたい!
→日本統計年鑑の索引から「パソコン」を調べると、普及率や保有台数の統計がわかる。また欄外を読むと、最新情報のURLが載っている。本には載っていない最新情報をネットで補完する方法。


■図書館と書店の違いは?
・利用者にお金を求めない。(図書館法17条)
・古い本がある。過去の情報を将来に繋げ、残していく。
・調べごとの手伝いをする司書がいる。


■インターネット上の情報と本の違いは?
・ネットは信頼性に保証が無い場合がある。(誰が書いたのかわからない)
・再現性が低い。(無くなってしまう可能性もある)

では、本には信頼性・再現性があるのか?少なくとも著者・編者等の責任者が明示されている。図書館にある本は貸し出し中でなければいつでも閲覧できる。インターネットの情報は、誰が情報を発信しているのかを意識して利用すること。


■司書と一般利用者の探索方法の違いは?
・司書は分類から「発想」する。その発想力が違う。

例)ヘラブナは温水魚かどうか?
4類 魚類図鑑
5類 料理
6類 水産業
7類 釣り

例)コサック兵の軍服を作りたい
軍事関連かな?
民族衣装かな?服飾関連で調べたら、モノクロ写真しか無かった。
児童向けの本には載っていないかな?
コサックダンス関連の本に載っていないかな?
コサックダンスのLDのジャケットにカラー写真があった!

児童書にヒントがあるケースも多い。解説がわかりやすく、ルビが振ってある。調べ学習用の本は非常に役に立つ。AV資料・児童書・インターネット等、形態に偏らず、発想をふくらまして手がかりを探す。


■調べる時の事前準備
・何を(どのくらい時間をかけて)調べたいのかを明確にする。
司書とのコミュニケーションからこれが明らかになる場合もあるので、まず相談してみることが大事。

・どの程度の情報が必要か?
伝記や学術文献が必要なのか?それとも人物辞典レベルでいいのか。

例)アルバム作成等で使うために、その年の代表的な事柄を調べたい。
『日本史年表・地図』が非常に便利。

・インターネット等ですでに基本情報は調べてあるか?
調べたことを元に、本で裏付けを取る。


■情報探索を行う上で心がけること
・裏を取る。
複数の情報源を確認し、信頼性を担保する。

・出典を書く。
情報に対する責任の所在を明らかにする。

・辞書や辞典だけで調べない。
インターネット上の情報を活用する。インターネットと本を同時に調べられるのは図書館だけ。
(インターネットの場合も責任の所在を確認し、信頼性の確保に務める)
図書館にある情報はすべて調査対象(AV資料など)
図書館は世界に繋がる情報の入口。


■Googleの検索TIPS
・検索結果でキャッシュをクリックすると、キーワードがハイライト表示される。
・フレーズ検索
・マイナス検索
・サイト検索

その他、検索オプションはよく見てみることをおすすめ。


■基本レファレンス資料を覚える
・百科事典を使う場合は、索引も必ず使うこと。

例)駿河湾について調べる。
「す」で調べると13巻に載っているが、索引で見ると4巻にも載っていることがわかる。

・読売年鑑の別冊で分野別人名録
有名人の連絡先・事務所などが調べられる。

・日本国語大辞典
百科事典のように使える。ことわざも載っている。

・大漢和辞典
国字などは補巻に載っている場合がある。
新潮日本語漢字辞典には「秋桜」なども。

・理科年表
自然科学系の調べ物に便利。

例)鹿児島と青森の桜の開花時期の差
  ニュージーランドの気候・降水量
  潮の満ち引き
  日本で二番目に高い山

・日本統計年鑑

・国書総目録
江戸時代以前の資料がどこにあるのかわかる。


■まとめ
・優秀な図書館員は利用者が育ててくれる。ぜひ声をかけて欲しい。
・図書館員はヘルプ(情報提供)よりサポート(情報の探し方ノウハウ)をしたい。自分で調べられるようになることを目指す。


以上。「調べ方案内(パスファインダー)」とかについてもお話を聞きたかったのだけど、時間の都合でかカットされてしまったようです。普段からインターネット検索は利用していますが、図書館というのは司書の方々に協力していただくと、すごく情報へのアクセスが効率的な気がしました。機会があったら利用してみたいと思います。

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