2007年1月31日水曜日

学習環境のデザインとは [Memo]

人材開発・教育担当者向けのセミナーに参加。講師は熊本大学大学院助教授の北村士朗氏。O.J.T.を取り入れている企業は多いが、O.J.T.という名の放任になっていないか?ということを問いかけ、求められる学習環境のデザインとはどういったものか紹介。

仕事を通じた学びとは

社会人と子供の違いを考える
実用的な内容で興味関心をひき、学ぶ目的や仕事との関係をはっきりさせることで、社会人は自律的に経験に即した学習が進められる。学習者としての社会人と子供の大きな違いはここ。

学習モデルから考える
4つの学習モデルを紹介。詳しくは『企業内人材育成入門』で説明しているとのこと。

学習転移モデル
基礎を学び応用していく。理論体系を学ぶのに適している。基礎を応用する「場」を用意すること。

経験学習モデル
知識やスキルではなく、学び方を学ぶ。
1)なんとか状況を乗り越える
2)エピソード的経験を積む
3)省察する
4)セオリーとして以後役立てる
これを繰り返していく。省察・セオリー化においては、学習者とは違った視点(先輩・上司)が重要。

批判型学習モデル
教育の中身を決めるのも自分、という考え方。学習者自身が「目的は正しいのか?」や「背景は正しいのか?」といったモノの見方を省察し、問題意識を育む。マネージャ・管理者教育など。適切な他者の視点も必要。

正統的周辺参加モデル
学習と仕事に境界を設けない。個人の学習成果を組織のパフォーマンスにつなげるために、職場ごと研修の場にしてしまう。「問題解決のため」の研修ではなく「問題そのものを解決する」ことを研修と位置付ける。

熟達化のデザイン
認知的徒弟制理論に即した熟達化。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
山本五十六の言葉がそのままあてはまる。
1)自分でやってみせる。
2)そのやり方について、教えてあげる。
3)実際にやらせてみる。
4)出来たらほめてあげる。

熟達化で望まれるもの
・記憶力向上
・下位技能の自動化
・問題の直感的把握

どう学ばせるか
・論理-科学様式:原則・法則・鉄則・パターンなどを理屈で学ぶ。
・物語様式:ロールプレイング、ビデオ学習

新・学びのピラミッド
学習内容の定着度を現すピラミッド
従来の学びのピラミッドに「実務・失敗」加えたもの。
失敗してもフォローできる環境を用意すること。

学習環境の構築においては、組織・活動・道具、それぞれのレベルでのデザインが必要。学べる共同体をデザインすること。例えば新人の座る場所なども重要。

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