2006年11月25日土曜日

キャリアへの考え方

キャリアに「目標」は必須ではないという記事より。

ですから、目標やビジョンがないからといって、落ち込まないでほしいのです。価値観と目標のどちらかが大事、といっているわけではありませんし、どちらか1つがなくていい、といっているわけでもありません。つまり、

  • 将来の夢や目標から発想したほうが動機付けられる人=ビジョン型

  • 自分のこだわりや価値観に沿って、日々それを満たしているうちに充実した人生を送れる人=価値観型


 この2つの傾向があるのです。別の言い方で、「未来への実現がやる気を引き出す人=ビジョン型」と、「今、大事なものを満たす方がやる気がでる人=価値観型」とも表現できます。
2006年11月21日 ITmedia Biz.ID



なるほど。「夢」や「目標」がある人の方が、確実なキャリアを歩んでいけると思われがちですが、それだけではない。「こだわり」や「価値観」を持つことで、キャリアにつなげていくという考え方があるのですね。

スタンフォード大学の研究ですが、学生が卒業するときに、寄せ書きに自分の目標を書いた人のほうが、その後、精神的に充実した人生を送り、収入もほかの人の数倍から数十倍あった、という統計があります。だから、ビジョンが大事、目標が大事、というわけです。


ところがこれと相反するように、クランブルツ博士の「Planned Happenstance Theory」という考え方があります。この博士は「キャリアの8割は偶然によって決まる」というのです。「あの仕事に就きたい」と思って就いている人は 2割しかいないのです。だいたいは、たまたま知り合った人に声を掛けられたり、たまたま配属されたりして、現在のキャリアを築いている。だから未来の目標やビジョンを設定するよりも、自分の大事なものを軸にして、アンテナを広げていろんなものを吸収したほうがいいですよ、という言い方をしています。これは価値観型を支持する考え方です。


このように、どちらがダメということではなく、どちらの傾向が強いかということでキャリアへの考え方が変わっていくのだと思います。具体的な「ビジョン」がすぐに出てこなくても、日々の仕事の中で「こだわり」や「価値観」を掘り下げていくことはできるはず。その「価値観」をもっと充実させるにはどうすればいいか?こう考えた時に「ビジョン」が見えてくるのでしょう。

診断テストが載っていましたのでやってみました。「ビジョン型:6」「価値観型:10」
私の場合は「価値観型」の傾向が強いですね。でも「ビジョン型」へのこだわりも少々ありというところに、なんとなく納得。

3 件のコメント:

nino さんのコメント...

クランブルツではなく、クランボルツですね。
しかも、このクランボルツ教授の説は絶賛訴訟中です。
(チームで研究していたのに、個人の説で発表したとかナントカ

日本でのクランボルツ説研究の第一人者は高橋俊介氏かな。
その他のキャリア論のエドガー・シャインなら金井壽宏氏です。
どっちも本持ってるから貸しますよ。

kemi さんのコメント...

ninoさん、こんにちは。
この記事を読んだ時に、金井壽宏氏の「流されるドリフトと節目でのデザイン」を思い出しました。「ドリフト」という言葉のニュアンスが微妙に違うような気もしますが、共通した部分もあるのかな。

nino さんのコメント...

うーん、個人的にはクランボルツの説は日本の風土に微妙に合わない気もします。
「二世を誓う」とか「添い遂げる」とか、恋愛の例しか出せないのですが、日本は変わらない環境下でいかに生き抜くか、問題を解決していくかという点に重点が置かれているような気がします。
(ドリフトの流されるより荒波の中泳ぎ抜くーみたいな