2010年6月3日木曜日

ビギナーズ

レイモンド・カーヴァーの『ビギナーズ』を読了。『愛について語るときに我々の語ること』は、編集者ゴードン・リッシュによる改編・削除がほどこされており、そのオリジナル原稿による完全復元。

「ささやかだけれど、役にたつこと」は、何度読んでも切ないのだが、本書のバージョンが好き。砦の回想なんてあったっけ?「出かけるって女たちに言ってくるよ」は、怖さが激増。これは短い方が良かったなあ。「足もとに流れる深い川」の夫に対する妻の気持ちの変化、わかる気がする。



巻末のゴードン・リッシュに宛てたカーヴァーの手紙や、村上春樹氏によるゴードン・リッシュとの関係なども興味深く読んだ。『大聖堂』以降の作品も少し読んでみようかな。

0 件のコメント: